単焦点眼内レンズにはピントをあわせる調整力がありません。遠くに合わせると近くが見えなくなり、近くに合わせると遠くが見えなくなります。手術の前に生活スタイルに合わせてピントを合わせるおおよその距離を決める必要があります。
多焦点眼内レンズは、単焦点眼内レンズとことなり、近くと遠くの両方にピントを合わせることができます。写真のように、近くの携帯電話や遠くの時計、 風景にもピントが合うようになります。
よりしっかりピントを合わせたいときには、メガネを 装用したほうが楽に感じる場合もありますが、メガ ネをかけたり、はずしたりする回数が減ることで、 活動的な生活を送る一助となります。
多焦点眼内レンズは、近くと遠くの両方にピントを 合わせることができますが、自由にピントを変える ことができる若いころの見え方とは異なります。
強い光源を見た場合に光を眩しく感じる事(グレア)や光の周辺に輪がかかって見える事(ハロー)が起きやすくなります。個人差はありますが手術後の時間経過とともに慣れてくるといわれています。この発生頻度は、多焦 点眼内レンズでは、単焦点眼内レンズに比べて高いことが報告されています。
さんざん迷いましたが、最終的には、自分の身体の一部になるものだから、後悔しないものを選びたいという思いで決断しました。
眼帯をはずした瞬間から、色鮮やかに視界が広がりました。あまりにくっきり見えるので、はじめは脳が慣れていないような不思議な感覚もありました。
裸眼で遠くの看板や標識まで、しっかり見えます。術後は、何の不安もなく運転しています。
新聞や単行本の文字も眼鏡なしで見えます。何より眼精疲労からくる肩こりがなくなり、嬉しいです。
信号や街灯の光も、二重になったり、にじんだりせず、くっきり見えています。私の場合、ハロー・グレアという副作用もなく、夜間の運転も快適です。
その人の生活スタイルにもよりますが、眼鏡やコンタクトをつけずに生活できる快適さを多くの人に知ってほしいと思っています。